CUP_NS-P.GIFたまには役に立つ企画・西チベット情報(2004年7月)

旅行情報の少ない、西チベットについてのあれこれを書いてみました。このHPでは珍しく、と云うより初めて役に立つページかも(笑)。
東のラサから来られる方は、「たる&あいの世界旅行」の西チベット情報をご参照されるのがよいかと思います。わたしも、たるや夫妻の情報にはずいぶん助けられました。

〜中国から西チベットへ〜

パキスタンから中国に入って、西チベットを目指す場合、旅の拠点となるのは、中国・喀什(カシュガル)。

●○喀什(カシュガル)○●

宿・・・「色満賓館」。ドミトリー15元(共同トイレ・バス)、25元(トイレ・シャワー・バスタブ・テレビ・エアコン付)。共同シャワーもお湯はがんがん出る。

食事・・・色満賓館から、人民西路をまっすぐ歩いた右手にある「美味牛肉面館」、美味しい涼面(3元)が食べられる。
また、天天東超市(スーパー)の2階では、火鍋が食べられる。2人で食べて、大体1人25元くらい。

その他・・・ここでがっつり中国元を下ろそうとされている方も多いと思われるが、信じられないことに、ATMは悉く使えない。VISA、PLUSのマークがあるにもかかわらず、エラーが出てしまうのだ。なので、T/Cか現金を両替するしかない。
T/Cも現金もない人には、一応裏ワザ(なのか?)がある。友人は、中国銀行のカウンターで、ビザカードからお金を落としてもらっていた。ただし、手数料が3パーセントかかり、手続きも面倒。

カシュガルは、かなりの都会なので、必要なものは大体ここで揃えられる。食糧や日用品は、ここで買うのが一番安い。
ちなみにわたしが買った食糧は・・・
・袋めん・・・3個
・カップめん・・・1個
・ビスケット類・・・2個
・チョコレート類・・・たくさん(好きなもので;でも融けると悲惨)
・あんず・・・500グラム(高山病対策)
・鶏肉ソーセージ・・・10本
・キャンディ・・・1袋
・お茶・・・2袋

・・・しかし、これでは足りずに(お菓子類)、叶城やら阿里やらで色々買い足した。。。
ちなみに、ここで買っておいた方がよいもの。

・雨具(カッパがベター)
・ウェットティッシュ(スーパーに売ってます)
・フタ付アルミマグカップ(市場に売ってます。袋ラーメン作る用に、大きめがよろし)
・水筒(中国の偉大な発明!これさえあれば、お湯をもらっていつでもお茶が飲める)

●○喀什(カシュガル)→叶城(イエチョン)○●

人民公園近くのバスターミナルから、毎日7〜8本バスが出ている。25元。5時間。

●○叶城(イエチョン)○●

宿・・・「交通賓館」。3人部屋で1人30元。30元の部屋はないとか云われるので、粘ろう。ホットシャワーは早朝と夜の1〜2時間くらいのみ使用可。バスターミナルの敷地内にあるので便利。
ちなみに、「旅行人」に載っている「叶城賓館」は、工事中で泊れない。

食事・・・ウイグル料理屋が多い。中華が食べたければ、「電力賓館」の前あたりに、中華食堂が並んでいる。

その他・・・リキシャが走っており、1人1元。また、叶城賓館の裏手に、10元の公衆浴場がある。

●○叶城(イエチョン)→阿里(アリ)○●

ここが最初の山場。
アリを目指すには、トラックヒッチと公共バスの2つの方法がある。

公共バスが出るのは、毎月10日、20日、30日だが、9日のバスで来たという人もいたので、19日、29日という便もあるかも知れない。ただし、寝台ではない可能性もある。
チケットを買うには、イエチョンから隣町のアーバンに行く(ミニバス・2元、20分)。アーバンの零公里から歩いて、軍用招待所を目指す。敷地の奥にある、「運站零公里售票所」がチケットオフィス(公衆トイレの手前)。
寝台バスで、上ベッドが500元、下ベッドが700元。上でも特に乗り心地に支障はないと思う。

トラックについては未確認だが、値段は公共バスの半額くらい?これも、アーバンで探す。

ちなみに、アーバンは非解放地区なので、目立つ行動は避けた方がいいかも知れない。わたしたちが行ったときは、特に緊張感はなかった。

バスの発車は、北京時間午後6時・・・のはずが、実際に出発したのは午後8時30分だった。
ここからぐんぐん高度が上がる。アーバンが1400メートルに対し、数時間で3000メートル以上になる。
午前1時30分ごろ、庫地(クティ)で検問がある。ここで追い返されるという話もあったが、パスポートを普通に見せて終わりだった。実にカンタンな検問。しかし、トラックの場合は分からない。

翌朝10時ごろ、三十里営坊で朝食タイム。約2時間。米飯が4元と高い。お湯はもらえるので、カップめんを持参して自分で作れば安上がり。
ここを過ぎると、あとはトイレ休憩でしか止まらない。そもそも町がない。ひたすら荒野が続く。。。
トイレ休憩は3時間に1回くらい。5分も止まらないので、さっさと用を足すべし。

翌朝8時30分、アリに到着。まる36時間のバス旅であった。

バスの様子についても少し。
バスの中は、縦に3列の2段ベッドが並ぶ。めちゃ狭い。ベッドの幅は70センチくらいしかない。まあでも、眠ってしまえばカンケーない。暖房がきいており、布団もあるので、特に寒くはない。
車内は禁煙(罰金50元)。しかし、中国人のオッサンは平気で吸っていた。むかついた。

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〜西チベット〜

●○阿里(アリ)○●

アリに着いたらまず、公安に出頭する。公安は、昼1時〜4時まではお休み。
罰金300元と、旅行許可証50元を支払う。許可証の申請時、目的地を書かされる。いくつでも書けるので、行きそうな場所、経由地などはすべて書いておいた方がよい。
許可証の期限は、われわれは2週間しかもらえなかった。大金(タルチェン)で5元で延長できるというので、まあいいか・・・と思っていたら、大金ではしっかり50元を取られ、愕然。阿里で頑張って、もらえるだけもらっておきませう。

・・・が、しかし、あとで聞いたところ、ラサから来た旅行者が、罰金もパーミット代も払わずにまんまと旅行していたという事実が!確かにわれわれも、西チベット旅行中、1回しかチェックは受けなかったが・・・まあ、勇気のある人はどうぞ試してみて下さい。くそっ、何か悔しい・・・。

宿・・・「阿里迎賓館」。4人ドミで1人35元だが、30元には値切れる。ホットシャワーは夜10時〜12時のみ。
宿はいくらでもある。トイレ、シャワーなしで、街なかだと20元、バスターミナル近くだと15元。

食事・・・初期の頃行っていたのは、たるや夫婦お奨めの「家常味菜館」。ちっちゃい主人と奥さんが、おそろいのジャケットを着てニコニコ働いているのが何ともかわいい。
途中から、同じ通りにある「香四海美食城」に頻繁に行くようになった。ここも美味しくて種類豊富。店員も愛想いい。

その他・・・アリには(というか、中国何処でも?)、床屋を兼ねた売春宿が多い。夜になると、ピンクの照明が灯るのですぐにそれと分かる。でも、あくまでも床屋であるので、髪は切れる。たったの10元で、腕もなかなかのもの。おネエちゃんたちもノリがよく、おもしろかった(笑)。
さらに、チベットの暖簾がかかっているお店も、どうやら普通の食堂ではなさそう。わたしたちが入ったお店は、スナックのようだった。

●○阿里(アリ)〜札達(ツァーダ)○●

車チャーターの相場は、ランクルで1台2000元、トラックで1500元といったところ。1泊2日、グゲ遺跡まで行って帰ってくるスケジュール。

わたしたちは3人だったので、より安上がりなヒッチハイクにした。アリの町の中心から少し離れてバスターミナルがあり、その斜め前にあるガソリンスタンドがヒッチポイント。中国人、チベット人もヒッチを試みているので、すぐそれと分かる。
時間的には、朝8〜9時から開始するのがよいと思う。早すぎると、車がまったく通っていないし、暗いし寒い。わたしたちは、午前7時過ぎからスタンバイし(早すぎた)、午前10時30分にヒッチ成功。荷台100元、座席150元だった。荷台でも、荷物が載っていて、スピードが出なければ寒くないし、景色も最高。
札達到着は夜9時30分。

土曜日ならば、アリの郵便局から出ている郵便トラックを利用するのも手。座席で150元。午前中に出発。所要時間は15時間とのウワサだが・・・。

ツァーダ〜アリは、これまたヒッチ。それ専門のランクルがいたので、1人150元で乗った。所要時間約7時間。

●○札達(ツァーダ)○●

托林寺(トリン・ゴンパ)は、入場料80元。学割はない。仏教徒だと主張して50元で入った人もいるが、わたしのときは、ビタ一文負からず。30元の差はでかい・・・。

宿・・・「雨田招待所」。4人ドミで1人20元。トイレ、シャワーなし。トイレは、近くの公衆トイレ(無料)で。おなじみの汚いトイレ(蝿多し)。シャワーは、町なかに2、3軒、公衆浴場がある。15元。お湯はぬるめ。

食事・・・「川奥飯庄」。砂鍋10元、ホイコーロー炒飯10元、ご飯1元と、良心的な値段。

その他・・・ここも、小さい町ながら、ナイトスポットが多く存在する。友人は、ディスコだと思って「京都歌舞庁」という店に行ったところ、おねえちゃんが隣に座るクラブだったらしい・・・。ピンクの床屋さんも健在(笑)。

●○古格(グゲ)遺跡○●

入場料・・・105元、+ガイド料10元(これは何人で行っても同じ)

交通・・・ツァーダから、ヒッチハイク可能。わたしたちは、タダでトラックの荷台に乗せてもらった。めちゃくちゃ揺れるが、景色は素晴らしく、”ビッグサンダーマウンテン”の王様版といったスリルが楽しい。所要50分。
ちなみに歩くと20キロ以上あるので大変。帰りのヒッチはかなり難しいかも・・・わたしたちも炎天下を5時間ほど歩いた。もしものために、水は多めに持参した方がよい。

●○阿里(アリ)〜大金(タルチェン)○●

アリ〜普蘭(プラン)間に、1日おきにバスが走っており、大金で途中下車できる。が、230元と高い。

なので、われわれはトラックをヒッチすることに。しかし、うまくいかず、2日間足止めを喰らった。
3日目、人民解放軍のトラックをヒッチ成功。座席で一人100元。所要約8時間。

●○大金(タルチェン)○●

宿・・・「旅行人」掲載のカンティセGHは、移転新築した。
元カンティセも営業中で、一人30元(20元まで負かるかも)。
われわれが泊っていたのは、元カンティセの裏の阿里茶館。一人20元。毎夜ビデオ上映会があり、地元のチベタンたちの溜まり場になる。地酒も飲めるぞ〜。

ちなみに、タルチェンの宿はどこも、電源、トイレ、シャワーはない(新カンティセには、電源くらいはあるかも)。
トイレはお近くの公衆トイレ(もちろん汚い)でどうぞ。

食事・・・元カンティセGHの側に、四川料理屋がある。肉の入った炒め物が20元、野菜の炒め物が15元、スープが10元、ラグメンが10元と高い。が、味はいける。
もう1軒、元カンティセGHの門の外にも四川料理屋がある。

●○神山(カイラス)○●

コルラは通常、1泊2日〜2泊3日。われわれはヘタレなので、2泊3日でもいっぱいいっぱいであった。
「旅行人」チベットの、カイラスコルラの地図を持っていれば、まず迷うこともないだろうが、一人ナゼか遭難した人がいる・・・(ちゃんと生きてた)。
最高地点ドルマ・ラ越えはかなりきついが、それ以外はわりと平坦な道であった。

宿泊については、遊牧民があちこちにテントを張っているので、そこで頼めばよい。相場は1人20元。カップラーメンなどの簡単な食糧は売っている。タルチェンより1〜2元高い程度なので、荷物が重くなるのがイヤな人は、現地調達でもいいと思う。お湯はもらえるが、お金を取られることも。

●○ティルタプリ○●

タルチェン→門士(メンシもしくはムルツェン)までは、トラックをヒッチ。荷台で一人30元。所要約2時間。

メンシからティルタプリ温泉までは、徒歩約2時間30分。
温泉の側にはティルタプリ・ゴンパがある。温泉自体は、全身つかれるようなシロモノではない。わたしははりきって水着を着ていったが、せいぜい足浴ができる程度。

ちなみに、メンシの町を出るあたりで、チベタンのおばばが、「チケットを買え」などと云ってくるが、おそらくニセモノなので無視しよう。

メンシ→アリまでは、貸切バスをヒッチした。一人50元。

メンシの宿は、1泊15元。いくつか「住宿」の看板が出ている。

●○マナサロワール湖○●

タルチェンで探してランクルをチャーター・・・したつもりが、やって来たのは北京ジープだった。。。5人でチャーターして、一人70元。もっと安く行けるような気がする。所要時間約2時間30分(ランクルならもっと早いだろう)。タルチェンから充分日帰りできる。

ちなみに、タルチェンから他方面へのランクルは、元カンティセGHのあたりにたくさん停まっている。
あと、町はずれのチベタンテント街には、巡礼トラックも多く停まっているので、これを当たるもよし。ラサ行き、シガツェ行き、プラン行き、アリ行き・・・何でもある。ただし、けっこうふっかけてきます。

われわれは、湖のほとりにあるチウ・ゴンパまで行って帰って来た。
チウ・ゴンパの近くの集落には、個室バスタブの温泉がある。一人20元と高いが、大金ではシャワーは浴びられないので、貴重かも。

●○阿里(アリ)〜拉薩(ラサ)○●

1日おきに、寝台バスがある。11時発、所要約76時間(※ただしこれは、日喀則(シガツェ)〜ラサ間の舗装路が工事中だったため)。
後ろの席で520元。一番前だと660元。後ろはかなりつらい。
途中、何度かご飯休憩がある。もちろん、トイレ休憩もある。

イエチョン〜アリ間同様、中国人は車内でタバコを吸いまくり。頼むから、せめて窓開けて吸えよ・・・。

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●○装備について○●

この時期(7〜8月)であれば、日本の冬を想定した服装でOKだと思う。わたしは、薄いシャツを何枚か重ね着し、ジャージ、フリース、ナイロンジャケットという装備。下は、スパッツを持っていって、夜は履いて寝ていた。
同行者2人は、ダウンジャケットを持参。まあ、荷物が軽いなら、持って行ってもいいと思う。中国本土で、ニセものの「NORTHFACE」を買っていくのもよいだろう(笑)。
寝袋はあった方がいい。スリーシーズンのでOKでしょう。


・・・ざっとこんなところで、お役に立てましたでせうか?
何かほかに思い出したり、人からの情報があれば、随時追加していきます。

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