ゲイ術手帖 番外編其の弐

「ゲイ術手帖版・男子の手帖」

 理想の異性のタイプは、なんていう質問を受けると、本当に困ってしまいます。わたしの中では少なくとも、異性のタイプというのは二通りに分類されていて、一つは現実の恋人としていいなあと思うタイプと、純粋に鑑賞用として素晴らしいと思うタイプがあるのです。そういったことを合わせ考えて、上記の質問には、「色気のある男」と答えています。それも、さわやかな色気とかいうわけのわからんものではなく、気色悪さと紙一重なくらいの、妖気に近い色気です。

 最近はキムタクをはじめとするスマップ人気も落ち着いて、藤木直人とか押尾学とか平井堅(?)あたりが旬の男なんでしょうか。あと渡部篤郎も最近は定番ですね。まあ確かにかっこいいんですけど、何だか物足りない。何を選ぶにも常に“ゲイテイスト”が念頭にあるわたしとしては、いい男を見る目も当然“ゲイテイスト”がキーワードなのです。そこで、わたしが独断と偏見で、芸能界からいい男を五人選んでみようというのが今回の主旨です。

 まずは、日本映画界の期待の星と云われる(?)北村一輝様。ヤクザ系、カルト系のマイナー映画での出演(しかも悪役)が多いので知る人ぞ知る、という感じですが、現在大河ドラマ『北条時宗』で、和泉元彌扮する時宗の家臣、平頼綱役を好演中です。頼綱は、時宗にその頭の良さを認められ間者から大出世を遂げるという、なかなかに美味しい役どころなのですが、北村氏の頼綱がもう、超セクシー!なのです。烏帽子姿の凛々しさは云うに及ばずですが、曲げを解いてざんばら頭になった時の姿と云ったら、幽界から舞い下りて来た美しい悪魔のよう。昨日の放送では、左遷を命じられた頼綱が、自宅で乱心し暴れまくっておりました。「(九州に行きたくないのなら)ここで死になされ」と厳しい言葉とともに刀を放り投げる妻の禎子(寺島しのぶ)を、頼綱はいきなり抱きしめ接吻します。そのシーンが、大河とは思えぬ色っぽさで、主役の和泉元彌と西田ひかるカップルのさわやかさ(こちらはいかにも大河風)とは格段の差を呈しておりました。そのほか、山崎まさよし主演のドラマ『奇跡の人』で悪いオカマを演じたり(このドラマ見ていたのに最近まで気づかなかった…)、奥田瑛二と共演した映画『皆月』でヨコハマ映画祭助演男優賞やニフティ映画大賞、キネマ旬報・日本映画新人男優賞など数々の賞に輝いているなど、水面下で着々と活躍していますので、要チェックです。

普段は写真使わないんですが、どーしてもこの美しさを見ていただきたくて、どこぞのHPからいただいてきました。身長177cm、体重64kg。理想的な体型もポイント高いったらありゃしない。そして特技が日本舞踊(板東流)!な、なんて渋いお人だ…。他には空手、乗馬(!)、水泳が趣味。肉体系なのか?よく見るとルパート・グレイヴスにも似ている気がする。1969年7月17日、大阪府松原市生まれ。

 

 北村一輝の話が長くなってしまいました。そう云えば、わたしは昔からジャニーズに興味を持てない人だったのですが、TOKIOの山口達也くんは好きでした。今やTOKIOの筋肉マン担当として、すっかり三枚目の彼ですが、ずいぶん昔『同窓会』というゲイドラマで高島兄を慕うゲイの男の子を演じていた時は美しかったなあ……ちょっと記憶が曖昧ですが(ビデオ探しにTSUTAYAに行ったらさすがにもう無かった)。可愛いくて、ちょっと拗ねたような、小犬みたいな感じが『モーリス』のルパート・グレイブス君によく似ているので、さらに好きになりました。さわやか一点ばりのジャニーズにもこんな人がいたのか、と感心していたのに、すっかり肥ってしまい、本人もデブキャラとしてのアイデンティティを築きつつあるのが、何とも残念です。

 あとは、ミッチーこと及川光博も結構好きです。歌手・ミッチー王子としてはどうでもいいのですが、高畠華宵の描く、切れ長の目にスラリとした体躯の大正風美男子といった風貌は、江戸川乱歩のドラマ化作品でこそ真価を発揮するはずです。稲垣吾郎の100倍ハマるに違いありません。彼にはぜひ、このページでも紹介した『孤島の鬼』のゲイ、諸戸道雄を演じてほしいですね。最近妙に気になるのが、演歌の星、氷川きよしくん。親父につきあってBSの演歌番組を見ているうちに目が慣れてしまったのでしょうか……。ニューハーフと暮らしているとかいうワイドショーネタを聞いてからはますます注目度が高くなり、ベテランの色っぽい女性演歌歌手とのデュエットが妙にぎこちないのはやはりゲイだからか、などとあれこれ想像を掻き立てられます。異形の人ばかりを挙げてしまったので、最後は、やや無難に窪塚洋介くんを挙げておきましょう。ドラマ『ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ』での、長髪の高校生役は素的でしたね。石田ゆり子扮する先生とのキスシーンは色っぽかった。て云うか手慣れてそうだった(笑)。石田ゆり子はちっともよくなかったけど。映画『溺れる魚』ではゲイの役を演っているそうなので、そちらも注目です。

 こうしてつらつらと書いてみると、結局わたしはゲイっぽいのが好きなのね(笑)。色っぽさを追求すると、ゲイっぽさに行き着くということなんでしょうか。本来色気というのは疾しさとか、ヤバさとか、そういうものを含んでいるものだと思うので、ある種異形の者であるゲイ(ゲイテイスト)と色気は極めて近しい関係にあるのかも知れません。でも、あくまでも“ゲイっぽい”ことが大事なのであって、本人がゲイかどうかにはそんなに言及しません。風間トオルはゲイだそうですが、何だかはまりすぎて面白くないですし、ゲイなのかな?どうなのかな?という曖昧さがかえって色気を増幅するような気がします。長長と書きましたが、今日はこの辺で。本当はゲイにまつわる内輪ネタも書きたかったのですが、やめておきます(多分怒られるので)。

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