旅先風信78「パラグアイ」


先風信 vol.78

 


 

**たまには短く**

 

今回の旅先風信は少ないです。10分くらいで読み終わると思いますので、ご安心を(笑)。

ビジネスホテルだけあって、ホテル内山田の居心地はすこぶるよく(ただし部屋の日当たりは悪かった)、また朝食は和食のビュッフェということで、朝から白米、味噌汁、冷奴、魚の煮付けetcという信じがたい内容でした。ああ、毎日こんな朝食だったら幸せなのに…(だったら帰国しろって?笑)。
もう1泊、という考えが頭をかすめましたが、パラグアイ通貨を少額しか下ろさなかったことに気づき、泣く泣く出ることにしました。

ASUNSION11.JPG - 17,829BYTES 朝から和食ーーー!海苔とたまごかけご飯に感涙(お替りしちゃったわ)。

次の目的地は、エンカルナシオン。
いくらパラグアイに何もないと云ったって、見たものがホテル内山田だけでは何とも情けない(笑)ので、事前にムリヤリ見どころを探してみたところ、トリニダー遺跡という世界遺産の観光スポットを発見。その拠点となるのがエンカルナシオンという町なのです。

アスンシオンからはバスで6時間。朝、ホテルからバスターミナルまで行くのに、LINEAという市バスに乗ったところ(内山田のフロントでタクシーを呼んでもらったのだが、いざ値段を聞くと高かったので断った…恥)、ミスタービーンみたいな顔した運ちゃんに「バスターミナル」と何度も告げたにもかかわらず、ターミナルをとっくに通り過ぎてから「で、何処に行くんだっけ?」。何処に行くんだ?だとー?!だから、ターミナルって乗り込むときに何回も云ったじゃねーかよ!しかもそんなに乗客いないのに、このミスタービーンは本物のボケなのか?!
しかもオッサンは、乗り換えて他のバスに乗れとか云う。そんな余計な金払えるかボケ!…とスペイン語で云うことは不可能なのでとりあえずテルミナル(ターミナル)を連呼し何も分からない人というのをアピールしていると、ミスタービーンは根負けして「このバスは周回だから、そのまま乗っているように」と促したのでした。

しかし、それからもイライラの連続でした。というのもこのLINEA、バカみたいに人を拾うのです。拾って走り出したと思ったら30秒もしないうちに停車してまた人を拾う…という繰り返しで、ただでさえ早くターミナルに着きたいわたしは、終始ブチ切れ5秒前状態でした。だって、曲がり角を曲がる度に、手を上げる人が現れるんだもん!そして走り出したら今度は木の陰から…きぃぃいーーー!(歯軋りする音)
あのなー、お互い5メートルくらいしか離れてないところで、各々がバスを停めるな!一箇所に集まって待て!効率が悪すぎる!バス停を作るべきだ!
結局、ターミナルに着いたのは、乗車してから1時間以上が経過してからでした…。

エンカルナシオンには、ドイツ人男性と日系人女性の夫婦が経営しているGermanoという宿があります。
バス停から徒歩10秒という立地の素晴らしさに加え、特筆すべきは、併設の食堂がやはり日系人女性のおやじさん経営で、うどん、ラーメン、天ぷら、魚定食、さらにはすきやきまで食べられるということ!しかも値段も安いので、他のレストランに行く気に全くならず、毎食ここで食べました。天ぷらは衣がサクサクしていて美味しかったです。何故かラーメンにフランスパンが付いているのはご愛嬌ってことで(笑)。

おやじ食堂。

トリニダー遺跡は、エンカルナシオンからバスで1時間くらいのところにあります。
写真で見た感じでは、なかなか雰囲気のある遺跡で、けっこう期待していました。しかも、マニアックなパラグアイの遺跡ということで、ツーリストもほとんどいないだろうから遺跡独占だぜ、と思っていたらまさにその通りでした(笑)。
いやはや、遺跡観光はこうでなくっちゃ。人気のない遺跡こそ、本来の遺跡の姿なのです。

ここは、イエズズ会のミッションが作った町の跡ということで、年代的には18世紀、遺跡というにはやや新しすぎる気もしますが、300年前のものとは思えないほどボロくひなびており(笑)、比較するならば、紀元前の遺跡であるはずのイラクのメソポタミア遺跡群がやたらピカピカしているのとは実に好対照です。
レバノンのバールベックのバッカス神殿内を思い起こさせるような教会跡はなかなかの迫力で、天使や花のレリーフも可愛い。何気に立っている首のない石像もブキミでいい(笑)。そして入場料が2000G(30円くらい)というのも素晴らしい。
何だかんだで、個人的にはかなりヒットの遺跡でした。

TRINIDA20.JPG - 25,788BYTES いい感じにわびしいトリニダー遺跡。

遺跡観光は半日で終了し、エンカルナシオンに帰ってからは、おやじ食堂でテレビを見ながら天ぷら定食を食べて、そのあと軽く昼寝。そう云えばテレビでは、新しい大統領の就任記念パレードが放送されていました。日本だと、新首相になってもパレードってやんないですよね?何でだろう?何でだろう?(byテツ&トモ)
夕方むくっと起きて、町を少し散歩。町がまた、見るとこないんだ(笑)。ホテルに戻って、パソコンをひとしきりいじったあと、夕食。今回はうどん。おやじさんと一緒にNHKの『世界データマップ』という番組を2時間くらい見続ける。テーマは「長寿と健康」。なかなか興味深い。長野県のどこかの長寿の町が”ピンピンコロリの里”と呼ばれているという話に、おやじさんと2人で爆笑。ピンピンしてて、コロリと死ぬ、という意味らしい。。。
ところでこのおやじさんは、あんまり人の話は聞いていないのですが(笑)、のほほーんとしたいいおやじでした。この人もきっと、何十年前かに日本から移住してきて、いろいろ苦労もあったんだろうけど、そういうのを全く感じさせないこののんびりさ加減。いいなあ。番組が終わって、「うーん、日本もいろいろ変わってるんだねえ」とニコニコしながら云う様子が、何ともまた可愛いのでした。

HPもたまっていることだし、もう1泊くらいして、明日はすきやきでも…なんてまた、日本食につられかけましたが、いかんせん、残りのパラグアイ通貨がいよいよ底をついてきたため、急いでエンカルナシオンを出、ブラジルとの国境の町、シウダ・デル・エステに向かいました。
このバスが、LINEA同様、人を拾いまくって大変でした。田んぼの中からいきなり現れる乗客とか…あのなー、これは公共バスであって乗合タクシーではないのだぞ!おかげで、4時間と聞いていたのが6時間以上もかかってしまいました。何とかしろよな、全く…。

シウダ・デル・エステは、免税の町というので有名なのですが、いざ行ってみると土曜日の午後のせいか、激安ビルと聞いていたJEBAI内の店がほとんど閉まっていて、結局収穫したのは、ボリビアと同じくらいの値段のフィルムだけ…。
しかも、ここにたどり着くまでに、またLINEAにたらい回しにされ(例によって行き先を忘れられていた)、国境を越えるときには体力メーターが40パーセントくらいに下がっていました。
そして何とか、ブラジル側国境のフォズ・ド・イグアス行きバスを見つけて乗ったはいいのですが、あっと云う間に国境を越え、イミグレで下ろされることもなく、フォズのセントロまでまっしぐらに走って行きます。
わたしはとっさに、TAZARA鉄道での一幕(※ザンビア編を参照)を思い出し、顔から血の気が引きました。やばい、あのときと同じではないか…入国スタンプなしで入国してしまったではないか。

果たしてこの後、わたしがどうなったかは、次号にて(いや、そんな大層な話じゃないんですが、今回は短く終わると宣言したので、この辺で終わることにします)。

(2003年8月17日 フォズ・ド・イグアス)

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