旅先風信128「チベット」


先風信 vol.128

 


 

**チベタンになりすます**

 

「ポタラ宮には絶対にチベタン料金で入ります」

と、チベットの旅の最初から宣言していたのは、カイラス巡礼仲間、Tさんでした。
でもどうやって?と問うたところ、「オレ、すげーチベタン顔だから、眼鏡外して行けば、チベタンに見えると思うんですよねー」とのこと。確かに彼は、チベタン風の顔立ちをしており、カイラス巡礼で真っ黒に焼けてチベタン顔にさらに磨きがかかっていました。

ポタラ宮は、ダライ・ラマの住居だった建物であり、文句なしにラサ最大の見どころです。だけに、入場料も、飛び抜けて高い。100元=1500円!悪名高いタージ・マハルの外人料金に比する高さです。
それに対して、チベタンの入場料は3元。ポタラはもともとチベタンのものなんだから、3元取るのすら疑問を感じますが、まあとにかく、約30分の1の値段なわけです。

「だって、100元はどうせ、チベタンじゃなくて、人民政府に流れるんですよ。そんなの腹立つじゃないですか」とはTさんの弁。まあ、それは大義名分と云えなくもないけれど、確かに、人民政府の“侵略”に一矢報いるという意味では、その試みはある種、正義の戦いなのやも知れません(笑)。

Tさんは、ラサに着いてから、前々から欲しがっていたチベット僧の袈裟を、節約家の彼にしては大枚叩いて手に入れ、やる気満々、準備万端でした。
僧侶に扮するなら頭剃らないとダメなんじゃないですか?と忠告してみたのですが、旅の最初から伸ばしている髪を切ることはどーしてもできないそうで、「いいんです。そのために、帽子も買いましたから」と彼が出したのは、こないだ袈裟を買ったときに見かけた、僧侶用の、板みたいな帽子。さすが、気合の入れようが違う…。

さて一方、連日の買い物ライフにて、チベタン衣装一式を入手したわたし。ただ好きだからという理由で着用していたのですが、ふと、「ん?わたしもこれを着ていれば、チベタンに見えるんではないか?」という、悪魔(チンピラ級)のささやきが聞こえてきました。
わたしは、チベタン顔とは云えないまでも見えないことはないし、肌もすっかり黒くなっているし、これで服装さえ完璧にすれば、ポタラ宮3元も、夢ではないかも知れないぞ…。

…と、にわかに思い立ったわたしは、Tさんに、「ポタラ宮3元入場計画に便乗したい」旨を話しました。そして、相談の結果、早速翌日決行することになりました。
スノーランドホテル出陣、朝6時30分。われわれのバックには、ロッキーのテーマソングが流れていました(ウソ)。 出陣の服装は以下の通りです。

・チャイナ襟の花柄ブラウス
・チュパ
・チベタンエプロン
・ネパール製の派手な布(頭に巻く)←借り物
・念のため、チベタン仕様の赤のウエスタンハット(腰にくくりつけた)
・泥だらけかつ穴だらけの黒のスニーカー

頭に巻いた布だけが、どうもチベタン風ではないため、減点対象になっていたのですが、このためにわざわざチベタン仕様の布を買うのももったいないので、仕方ありません。とは云え、布と靴以外は、すべてチベタンが実際に着ているものばかりです。

とりあえず、ツーリスト用入り口の前から、コルラを始めることにしました。コルラしながら、チベタンの秘密の入り口(笑)を探そうという目論みです。

チベタン女性に紛れ込んでコルラ。

ところが、コルラスタート地点、つまりツーリスト用入り口にさしかかったところで、いきなりチベタンのみやげ売りのおばばに「コンニチワー」と声をかけられてしまいました。ちょ、ちょっと待てっ、チベタンになりすましているつもりなのに、よりにもよって「コンニチワ」かよ!ニーハオでもなく?日本人ってバレバレやんけ!!!
わたしは、プライドとテンションを大いに傷つけられ、内心激しく打ちひしがれつつも、「わたしはチベタンなのざます」という姿勢を貫くべく、おばばは完全に無視。

しかし、それから10秒も経たないうちに、今度はガキのみやげ売りが、狙い済ましたようにわたしのところにやって来やがったのです。ナメとんのかこらあ!!!もちろんこいつも無視したのですが、裸の王様に「ハダカじゃん」と云ってしまったのが子供であることからも分かるように、子供はいつだって正直者。なおもしつこくガラクタを売りつけてきます。蹴っ飛ばして視界から追放したいのを必死でこらえるしかありません。

Tさんも、コルラ中に、どこからか「チャダラマー」という揶揄が飛んできて、がっくりしていました。チャダラマとは、ニセ坊主という意味です。
というわけで、ニセ坊主とニセチベタン女は、思いっきりテンションを下げられたところでコルラを終了し、とりあえず近くの「洞窟カフェ」で、作戦会議がてら待機することにしました。何故かお互いの恋バナなどを打ち明けつつ(笑)、時は過ぎていきました。

ツーリストにも人気の洞窟カフェ。

12時30分になりました。いよいよ決行の時間です。
というのは、聞き込みの結果、チベタン用の門は、昼の1時頃に開くらしいことが分かったのです。
その門は、秘密の入り口でも何でもなく、ポタラ宮の真正面にありました。
2人で一緒に行くと怪しまれそうだから、どちらかが先に行こうという話になり、Tさんが先陣を切ることになりました。
「5分経って帰って来なかったら、わたしも後を追いかけます」と云って、物陰からそっとTさんを送り出します。

…5分が経過しました。
“あれ、Tさん帰って来ないな…。“
もしかして、彼はまんまと成功したってことなのでしょうか?
さらに5分待ってもやはり帰って来ない。…間違いない。Tさんは見事、坊主としてポタラ宮に潜入できたのだ! 頭も剃らずに行ったのに…むむ、やるな、おぬし。よし、わたしもそろそろ行くか。

意を決して立ち上がり、なるべく挙動不審に見えないように、するりとチベタン門をくぐり、何食わぬ顔でチベタン用のチケット売り場に直行しました。
カウンターには、チベタンらしきおねーちゃんと中年男性が座っています。
わたしは、無言で3元を差し出しました。 ところが、おねーちゃんは、わたしの顔を見るなり、
「あんた、どこから来たの?」
と、情け容赦ない質問を浴びせてきました。
「せ、拙者は、アムド(※中国本土のチベタン居住区)から…」
と答えてみるも、1ミリも信用されていない模様。2人とも、完全に胡散臭そうな目つきでわたしを見ています。 どうやら、まったくチベタンには見えないらしい…。うぐぐ。

仕方ないので、チケットを買うことはあきらめ、ポタラ宮への参道を突っ切る作戦に切り替えました。
…んが、これまた別の係員が「お前、どこから来たんだ?」という質問とともに、体当たりでわたしの前進を止めにかかってきました。あまりに本気で押してくるので、よよよと体勢を崩してしまったほどです。

ダメだ。失敗だ。今や道は完全に閉ざされてしまった…。
わたしは、打ちひしがれながら、仕方なく、チベタン門とは遠く離れたツーリスト用窓口に、明日の整理券をもらうため、長蛇の列に並びました。
「情けねえ…何て情けないんだオレは…。」
♪みんなが笑ってるー、お日様も笑ってるー、とサザエさんの主題歌が頭の中でリピートしていました。みんなきっと、中途半端なチベタンのコスプレをした、頭の悪い観光客だと思っているに違いない。何だよ、こんな、掃除のおばちゃんみたいに頭に布巻いてさ、自分でも何者なんだかよく分かんねえっつーの…。
しかも。しかもだよ。この炎天下で、このクソ長え列に並んで、整理券を頂戴して、明日100元払って入る…何て、何て惨めなんだ。いや、みんなそうやってポタラに入っているのは分かっていますが、ここまでの努力(なのか?)を思うと、どうにも悔しくてなりません。実に勝手な義憤なんですけども(苦笑)。

暑さと疲労で吐きそうになりながら、1ミリも進まない列に連なっていること1時間以上は経過したでしょうか…。
「あ、野ぎくさん」
と、わたしを呼ぶ声が。振り向くと、ニセ坊主のTさんが、ポタラ宮参拝を終えたチベタンたちに混じって歩いているではありませんか。
そう、このツーリスト窓口は、チベタンに取っては出口。われわれツーリストとチベタンは、ポタラ宮参拝の順路が逆なのです。

「すごいなあ、入れたんですねえ。でもずいぶん出てくるのが早くないですか?」
と訊くと、
「僧侶のカッコだと、あんまり目立った行動はできないし、終始びくびくしてて、そのせいか、そんなに面白くなかったんですよ」
と、神妙な答え。
そうかあ。確かにねえ。でも、そうは云ってもやっぱ、3元で入れたのはうらやましいよ、うん…。
じゃ、お先に、と帰っていくTさんを見送ったのちも列に並び続け、トータル2時間30分後、やっとのことで整理券をゲットし、疲れ切った足取りで宿に戻ったのでした。

ポタラは遠い…。

ここまで並んで入手した整理券、思いのほかチェックは厳しいし、もはや大人しく100元払って入場するほかあるまい。
しつこい性格のわたしも、さすがにほとんど観念…していたはずだったのですが、翌朝、性懲りもなくチベタンコスプレに身を包んだのは、整理券をもらった時点では、金を払わなくてよかったからでした。
整理券の時間は11時。もしそれまでに、チベタン門が開いていれば、ダメもとで再トライしてもいいのではないか。?

ちょうど、買い物仲間のHさんとカメラマン親子たちが整理券を取りに行くというので、ともにポタラ宮に向かうことにしました。
しかし、宿を出る前に、ピーコのファッションチェックです。 ドミの皆さんの意見を聞いてみると、どうやら昨日のコスプレではすべてが新品に見える(実際そうなんだけど)、着慣れていない感じがする、普通のチベタンはもっと地味な色合いな気がする、もっと薄汚れている(笑)…。

そんな親切な皆さんのアドバイス&ご協力のもと、わたしの扮装は、以下のように変更されました。

★☆チベタン扮装おしながき(改訂版)☆★

・旅の初めからずっと着ている、グレーの長袖カットソー(よれよれ)
・チュパ
・ユニクロの黒のフリース(腰に巻く)←借り物
・緑のウールの布(頭に巻く)←借り物
・白のマスク←借り物
・泥だらけかつ穴だらけの黒いスニーカー
・マニ車←借り物

コンセプトは、「より地味に、より汚く」
昨日と大幅に違うのは、マスク、頭用の布、マニ車という3つの強力なアイテムが加わった点ですね。マスクをすれば、顔が半分隠れる上、チベタンもよくマスクしていますから、一石二鳥ってわけです。これは同ドミのSさんから借用。
頭用の布は、やはり同ドミのYさんが、中国本土のチベタン居住区・李丹で買ったもの。これなら、昨日の明らかに怪しい布よりも目立たないうえに、宿のお掃除のおばちゃん(チベタン)にそれっぽく巻いてもらったので、昨日懸案だった頭問題は、見事解決しました。
マニ車は、昨夜廊下で会った日本人の女の子に借りたもの。いきなり、「マニ車持ってません?」などと聞かれて相当面食らっていましたが、快く(多分)貸し出してくれました。
さらに汚れ感を出すために、五体投地礼を10回くらい、しかも激しくやるのがいい、という意見もあったのですが、軟弱者のわたしは、新品のチュパが擦り切れるのがイヤなので、それは却下。

ポタラ宮の前まで来ると、チベタン門はクローズしていました。
近くの屋台のおばさんに聞くと、やはり開くのは1時頃とのこと…。やっぱ世の中そんなに甘くないのか。
もはや、整理券で入るしかない。100元払って。もともとそのつもりで、昨日あんなに長い間並んだんじゃないか。それに、整理券の11時まで、あと5分くらいしかない。

…しかし、わたしは急に、整理券で入るのが悔しくなってしまいました。
そこでまず、中国語ペラペラのHさんに、整理券の時間を1時にずらしてくれるように、窓口に頼んでもらうことにしました。あくまでも保険として。1時前にチベタン門をトライして、それでもダメなら、さすがにあきらめもつくというもの。
ところが、さすがは人民政府直轄のポタラ宮、変更は一切受け付けないと云います。日にちの変更じゃなくて、時間をずらすだけですよ…病院に行かなきゃいけないから変更してくれないと困る…などと云ってもまったくムダ。JRの人と同じくらい融通のきかない人たちなのです。仕方ないので、急遽作戦を変更し、明日の整理券を狙ったのですが、これまた失敗。わたしの件を頼む際に、Hさんが整理券を取ったのでこれに便乗するつもりだったのが、わたしの直前でいきなり窓口が閉まり、「明日の整理券は終了」…おいっ、ざけんなよ!
よく思い出してみると、昨日までは、整理券の発行は午後だったはずです。それが何で今日は午前なのっ?!コロコロ変更してんじゃねー!そんな変更が許されるなら、オレの整理券も変更しろっ!てゆーか、ポタラ宮はあんたらのもんじゃねー!

怒り心頭に発したわたしは(ちなみに、11時の整理券も、11時30分までに入場しないと無効と云われムカついたので、ビリビリに破り捨てた)、今日は何が何でもチベタン料金で入ることを決意しました。
そして、仕切り直しのためいったん宿に帰り、同ドミのスペイン人カメラマンに、立派なマニ車とチベタン風ピアスを借りて、さらなるパワーアップを図りました。

1時間前までの甘ちゃんなオレとは違うんだぜ、生まれ変わったぜ…てな意気込みで、宿を出たその瞬間からマニ車をくるくる回し、心身ともにチベタンになりきって歩きます。すると、心なしか、周囲のチベタンたちに溶け込んでいるような気がしてきました(笑)。
すでに開いているチベタン門の、前の通路にとりあえず座り、気持ちを落ち着かせつつ様子を見ます。チベタンの団体が通ったら、すかさずそこに紛れ込むつもりが、こういうときに限って団体は現れません。しばらくすると、僧侶の団体がやってきて、あんま意味ねーなと思いつつも、覚悟を決めて立ち上がり、チケット売り場に押しかける僧侶たちに混じって、20元札(しかなかったの)を握った手を伸ばします。

よく見ると、売り場には、昨日と同じねーちゃんが座っていました。 そのうち僧侶たちもいなくなり、わたしは自分の姿をモロにねーちゃんの前にさらすことになりました。
しかも、ねーちゃんは、無言で金を差し出すわたしと目が合うと、明らかに「昨日の子じゃないの」という目で見返して来て、向かいの兄ちゃんと何やらごにょごにょ話し、苦笑とも嘲笑ともいえる表情を浮かべています。
“ああ、ダメだ…バレバレじゃねえか…”
わたしは、負けを覚悟しました。しかし、お金は引っ込めませんでした。何も云わずに、ただねーちゃんの目を見つめ返して、1パーセント、いや0.01パーセントの可能性に賭けるような気持ちで。

…すると。
ねーちゃんは、苦笑を浮かべながら、チケットを切ってくれたのです。
20元のお釣りとともに、チベタン用の簡素なチケットが手渡されました。
わたしは、湧き上がる興奮を抑えながら、あくまでも「当然でしょ」という態度でその場をあとにしました。おそらく、ねーちゃんは分かっていながら、このバカ女の涙ぐましい努力(笑)を認めてくれたのでしょうが…。何はともあれ、とにかくチケットゲット!くううっ、やったーーーーー!!!

…と思ったら、また、敵が待ち構えていやがりました。
昨日、わたしを力ずくで押し戻した番人が、やはりわたしを怪しんで、何やらごちゃごちゃイチャモンをつけてきたのです。
くっ、チケット持っててもダメなのか…いや、そんなわけない。チケットがあるってことは、入場を認められてんだよ!…という強気とは裏腹に、わたしはとっさに耳が聞こえないフリをしました。耳に手を当てて、小首をかしげ、困惑しきった表情でチケットを差し出したのです。
捨て身の演技でした…しばらく妙な間があったのち、番人は負けを認めたらしく、手で追い払うような仕草をしました。わたしは、小さくガッツポーズを決めつつ、ポタラへの参道を急ぎました。

勝利の階段(笑)。

かくして、ついに、 晴れて、わたしはチベタンとしてポタラ宮に入場したのでした。中に入る前に、チケットのもぎりがありましたが、それは何の問題もなく通過。
勝利の陶酔を存分に味わいつつも、しかしまた敵が現れないとも限らないので、行動には充分用心し、マニ車も、手が痛いけど回し続けます(笑)。
幸か不幸か、ポタラ宮内は写真撮影厳重禁止なので、あきらかに観光客と分かるような態度を取ることが少なかったのがよかった。神妙な面持ちで祈りを捧げ、暑くて息苦しいけどマスクも外さず、ポタラ宮観光の2時間弱、あくまでチベタンとして過ごし切ったのでした。

苦労して入ったポタラ宮自体の感想は…実はあんまり覚えていない(笑)。
何せもう、この観光は、入場した時点で8割くらい終わっていますからね(笑)。実際のポタラ宮観光は、おまけのようなものか?いやいや、そんなことはないんですけども。
ポタラ宮 には、999の部屋があると云われていますが(ホンマかいな)、われわれ観光客が見られるのはほんの一部です。他の部屋は、何かに使われているのか、開かずの間なのか…。ともかく、あまりに観光客が多いためか、ジョカン(大昭寺)などと違って、徐々に過去の遺物、単なる観光地になりつつあるような気がしました。何かね、建物が生きている感じがしないんです。かつては、チベットという国の政治・宗教の心臓部であった場所なのに…。

その後も調子に乗って、近くにある洞窟寺にも、めちゃめちゃ怪しまれながら無料で入り、すっかりチベタンになりきって宿に帰りました。宿では、この戦いにご協力いただいた人々が、祝福を以って迎えてくれました。カメラマン親子による本格的な撮影なども行われました(笑)。
さらに夜、別の日本人に会って「どうだった?」と聞かれたので、満面の笑みで「入れました!」と答えると、
「ええっ、入っちゃったのお?あーあー、オレの金…」
との反応が。
???と首をかしげていると、どうやら、この件を知っている日本人たちが、ひそかに賭けをしていたらしい。つまり、わたしが成功するか否かで、トトカルチョが行われていたと。知らない間にちょっとしたイベントになっていたのかい…。

成功後の記念撮影(笑)。

こうして、2日間にわたる死闘(どこがやねん)は、勝利を以って幕を閉じたのでした。

しかし、これで味をしめたわたしは、その後も、ノルブ・リンカ(ダライラマの離宮&公園)、ガンデン寺など次々と制覇しにかかりました。本当に、とことんセコい女なのです。吸える汁は最後の一滴まで吸う、というね(苦笑)。
ノルブ・リンカでは、入り口はOKだったのですが、離宮を見るのにさらに追加料金が必要で、そこのチケットチェックで引っかかりました。ここでもわたしは、耳が聞こえないフリをし、さらには遠くの方を見つめたままその場を動かずにいたら、あきらめてくれました(笑)。
ガンデン寺は余裕でしたね。ここは、バスを降りたところでチケット売りが寄ってくるのですが、チベタンの乗客にさりげなく紛れていたらあっさり通過できました。

逆に、ダメだったのは、ショトン祭のときのデプン寺。このときは、祭りということもあり、ついついチベタンコスプレに妙なアレンジを加えて、フンザ帽(※パキスタンのカリマバードで買った男性用のウールの帽子)なんかかぶって行ったもので、あっさりバレました。ま、ほかのツーリストと一緒だったせいもあるでしょうが、大人しく正統派のコスプレで行けば入れたのかも…と思うと今だに胸がうずくね(笑)。

はい、そんなわけで今回は(今回も?)、クソの役にも立たない、何の感動ももたらさないお話でしたとさ。

(2004年8月18日 ラサ)

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