旅先風信109「アメリカ」


先風信 vol.109

 


 

**お金がない!!!**

 

何をどう誤って、アメリカのような恐ろしく物価の高い国に、旅も後半真っ只中になってから来てしまったんでしょうか…。何もぜいたくなんてしていないのに、むしろ、今までになく節約しているというのに、気がついたらお金がなくなっている。盗まれたんじゃないか?!と思うくらいに減りが激しい。何だか、毎日血を流しながら生きているみたいです…(力なく笑)。

ともかく、アメリカに来てしまいました。
パナマシティのYHでくすねてきた(すみません)『地球の歩き方 ニューヨーク編』以外は何の情報も持たずに。
ロサンジェルスに着いたのはいいけれど、うーん、ここで何をしたらいいんだろ?
知っていることと云えば、映画の都ハリウッドがあり、高級住宅地ビバリーヒルズがあり、サンタモニカやベニスなどのビーチ群があり、あと少々マニアックなところではメルローズアベニューというお洒落ストリートがあり、LAで最も新しいミュージアム、ゲッティセンターがあり…といったところでしょうか。

ま、とりあえずは、誰もが知っているハリウッドに行ってみよう。
というか、目当てのホステルが、ハリウッドのど真ん中にあるのです。ネットで調べて、住所しか控えていなかったのでたどり着けるか不安でしたが、メトロの「ハリウッド・ハイランド」駅を降りたら、何と目の前にあるではないですか。素晴らしく立地のいいホステルだわ。有名な、チャイニーズシアター(新作映画の封切が行われる場所)が、すぐそこに見えてますからねー。
予約なんてトーゼンしていなかったけれど、運良く空きがありました。ドミトリー1泊18ドル(簡単な朝食つき)。今までの宿代の3〜4倍ですが…ま、アメリカはこんなもんですか。

ハリウッドと聞くと、何やらものすごく華やかな場所を想像してしまいますが、実際は、わりとフツーでした。チャイニーズシアターと、新しくできたハリウッド・ハイランドというショッピングモール以外は、そんなににぎわってもいなくて。メインストリートには、セレブリティたちのブロマイドやポストカード、その他映画グッズを売るお土産屋があちこちにあり、昔の竹下通りのようです。大半はダサくてベタなみやげなのですが、見ているとけっこうおもしろい。スターの顔写真を入れた免許証(もちろんニセモノ)や1ドル札(これもニセ)などという、ナンセンスなグッズが満載なのです。

私的には、ハリウッドよりは、メルローズアベニューの方が断然燃えましたね。
だってだって、たいそう可愛いブティックが、2キロくらいにわたって、これでもかと云わんばかりにずらーっと並んでいるんですから!(しかも道の両側)やばい、目の毒だよこりゃ…いいか、財布は絶対開けちゃだめだぞ…って、開けても、逆さに振っても何も買えねーけど(泣)。
いきなりアメリカの実力(?)を見せつけられた感じでした。パナマシティにもちょろちょろといいブティックはあったけれども、ほとんどはアメリカ製品だったし、やっぱ本家はすごいよねー。
ゴス系からギャル系、ガーリー、ヒッピー、パンク、古着…とにかく何でもアリ。素敵な雑貨屋もいっぱいあるし、何故か、オタク向けの書店まであったりします(何だかんだで、ここで一番長居してたかも…オタクですみません)。
あーもう!とりあえず金が欲しいっ!!!誰か金くれ!!!…久々にこんなハイレベルな文明(?)に触れてしまって、頭がショート寸前です。

LA15.JPG 左のコート、着れそうにないけど(笑)可愛くないですか?

時期的に、日本の学生の休みに当たったのか、ハリウッドはもちろん、メルローズにも若い日本人女子がもりもり来ていました。日本からそのまんま来ました、てな感じで、お化粧はばっちり、お洋服もいかにも日本で流行ってそうなのを着ていて、「この人たちとわたしって、ほんとに同じ日本人???」と、不思議な気持ちでいっぱいになりました。みーんな、ブティックの紙袋を3つ4つ下げてたわ。くそっ、うらやましい…。
でも、負け惜しみを云わせてもらうと、誰1人、カッコいいな、ステキだなと思った女の子はいなかったです(お前よりマシだ!と云われそうだけど…そりゃごもっとも)。みんな、お洒落してるのは分かるんだけど、お洒落だなーとは思わない。“個性的な服装”ってやつなのかも知れないけれど、もはやそれは“個性的”というひとつのジャンルに過ぎなくて、個性的に見せようとすればするほど結局同じになっちゃう、っていう矛盾した哀しさが透けて見えたりして…。
化粧の仕方もそっくりですよね。とりあえず、ファンデーションがやたら白いのと、マスカラがやたら濃い(なもので、白目がないのか!と思うくらい目周りが黒い)のはみな同じ。そしてルーズな茶髪。クローンか?!

あと、ロスで行った場所は、ゲッティセンター、サンタモニカビーチ、リトル東京。ひとことずつ、コメントしておきませう。
・ゲッティセンター→ジャン・ポール・ゲッティという大金持ちが私財を投じて作った、巨大ミュージアム&庭園。何とタダ!嬉しい!入り口から美術館まで、トラムが走っているというのもすごい。金持ちのやることは分かりません。
・サンタモニカビーチ→LAと云えばビーチ!なわけですが、この一番有名なビーチは、どっちかと云うと家族向け海水浴場といった印象でした。その周辺のセレクトショップの方が楽しかった。
・リトル東京→日系人コミュニティ。うわさには聞いていたが、さびれてるねー…。デパートも潰れてたし。オフィス街の谷間っていう立地がよくないのかな。でも紀伊国屋があってうれしかった(つい寺山修司の文庫本を買ってしまった…日本の値段の1.5倍くらいするんだけど)。

そう云えば、リトル東京ではちょっと腹の立つことがありました。
若い2人連れの日本人旅行者(女)が観光に来ていたんですが、リトル東京の敷地に入った瞬間、でっかい声で「しょぼっ!」と云ったんです。
わたしはその発言に、無性にムカついて、思わずこの頭の悪そうな女の背中にケリを入れてやろーかと思いました(でも小心者なのでできなかった)。
確かに、さびれてはいるさ。でもよう、周りに聞こえるような大声でそういうこと云うかフツー?ここで根を張って生きてる日本人が少なからずいるんだよ?お前は、同じ日本人として、何とも思わないのか?あんたにはデリカシーってもんはないのか?

LA54.JPG - 920,090BYTES ゲッティセンターの庭(あくまで一部)。背景に見えるのはLAの都心部。

ロスのあとは、夜行バスに乗ってサンフランシスコへ向かいました。
バスというのは、かの有名なグレイハウンドなのですが、値段のわりに、まったく大したことないバスだよなー(笑)。9時間乗って、44ドル!飲み物サービスがあるわけでなし(ああ、でも東京⇔大阪間のバスよりは安いのか)。しかも、夜中の1時に叩き起こされ、「バーガーキング」で食事タイム。何考えとんねん!でもしっかり食ってしまったけど…。

どちらかと云うと、LAよりはサンフランシスコの方が、行ってみたい街でした。
“霧のサンフランシスコ”という有名なコピーもあるように、哀愁の漂うシックな街というのがわたしの中のイメージ。実際、歩いてみると、LAのいかにもアメリカ的な新しい街とはまるで雰囲気を異にしていました。高層ビルも林立しているけれども、クラッシックで重厚な建物が多く、ヨーロッパにでも来たのかと錯覚するほどです。住宅街に行けば、ビクトリアンハウスと呼ばれるお菓子の家のような住宅が並び、路面電車は各国から買い集めたというアンティークの車両。あちこちで乙女心をくすぐってくれる街なのです。

とか云いつつ、SAで真っ先に訪れた場所は、カストロ・ストリートというゲイタウン(笑)。サンフランシスコはゲイ人口の多い街としても名を馳せており、ゲイ好きのわたくしとしては、ぜひともこのゲイのメッカ(?)を押さえておきたいところなのです。
そのエリアは思ったよりも小さく、雰囲気ももっとゲイゲイしている(どんなんやねん)のかと思ったら、特にそういうわけでもなく、ゲイ向けのお店がたくさんあるわけでもなく、ちょっと期待外れな感じでした。いや、期待が大きすぎただけなんですけどね。これだったら、新宿の2丁目の方が濃いかも知れません。
でも、日本の某人気俳優が、ここをちょくちょく訪れているという目撃情報もあり(しかも白い革パン着用らしい)、実はかなりディープな場所なのかも…(笑)。

その後、夜がヒマだったので、ふらふらとカストロに出向き、気になっていた「MIDNIGHT SUN」というお店に入ったところ…200パーセント男ばっかだよ!いや、表になんとかショーって看板が出てて、オカマちゃんのレビューとかだったら見たいなあと思って入ったんですよ。そしたら、男(ホモ)ばっかのバーじゃねーかっ!(汗)…カウンターのお兄さんたちがのーこーなキスをして絡み合ってるよ〜…。ていうか、わたしは何しに来てんだ?何でここにいるんだ?しばらく、テレビの大画面を見ながらぼんやり店の隅っこにいましたが(肩身が狭いとはまさにこのことだぜ)、どうにも居心地が悪くなり、5分くらいで退散しました。。。

SA15.JPG - 812,810BYTES ゲイのしるし、レインボーフラッグ。

サンフランシスコにもまた、可愛いお店がたくさんあって、目の毒だとは思いつつ、いろいろ周ってしまいました。
LAがメルローズアベニューなら、こちらはヘイト・アシュベリー。かつてはヒッピーストリートだったエリアです。メルローズよりは小規模ですが、壁にいかにもヒッピー風なラクガキがあったりして、歩いているだけでも何となくウキウキします。
しかしまー、わたしの買えるものは何にもないですね。ヒッピーストリートなのに物が高いなんて納得できないざんす。
あと、ユニオンストリートという別のエリアも、女子向けのこじんまりしたお店が集中しています。ヘイトよりも高級な感じで、日本で云うと代官山っぽい雰囲気(なのかな?)。ここでなかなか可愛らしい下着を見つけ、「パンツくらいなら買えるかも…」と値札を見たら、何と28ドル!おい!このペラペラのパンツ(いや、可愛いんだけどさ)が28ドルかよ!やっぱアメリカ、人をナメてます。

サンフランシスコでおもしろかったのは、アルカトラズ島ですね。
サンフランシスコ湾に浮かぶ、小さな島。サンフランシスコの街から見ると、まるでフランスのモン・サン・ミッシェルのように優雅ですが、中身はまるっきり別物です。何せ、ここは元連邦刑務所、しかもアメリカ犯罪史上をにぎわせた犯罪者たちが収容されていたところなのですから。

平日というのに大変な人出で、島へのボートは何と2時間待ち!休日だともっとすごいらしいです。ちなみに、値段も16ドルと、なかなかすごいです(苦笑)。
一般大衆というのはつくづく、このテの禍々しい場所が好きだよなあ、と思いますね。扉の開いている独房の中に入って記念撮影するやつらが後をたたないからね(笑)。そんなに独房が好きなら一生入ってろ、と悪態をつきつつ、わたしもしっかり1枚撮っておきました。わはっ。ほかにも、面会室の窓越しに記念撮影するやつらもいました。まるっきりテーマパークですな。

これまで何度か、”独房のような宿”を体験してきたけれど、やはりホンモノは迫力が違いますね(笑)。少なくとも、独房“的”な宿にはちゃんとドアはあったし、何よりプライベートがあったし。
しかし、もし今「1泊5ドルで泊らせてやる」と云われたら、移って来るかも知れないです。何せ今1泊20ドルのドミトリーに泊ってますから。ここだったらいちおう個室だしね(笑)。

ここのエピソードで興味深いのが、ある脱獄囚の話。
アルカトラズは、”絶対に脱獄できない”刑務所と云われており、脱獄を試みた囚人は数あれど、すべて不成功に終わっていました。ところが、たった1回、脱獄に成功した3人組がいたのです。
排水溝の下の壁がゆるんでいることを発見した彼らは、
半年間かけて、何とスプーンで壁を穿り返して、ついに穴を空けることに成功。そして、脱獄の日、張りぼての頭をベッドに寝かせ、さもそこにいるように見せかけて脱出したのです。その頭というのも、刑務所内の散髪屋からわざわざホンモノの髪を集めておいて、それを貼り付けたというのだから手が込んでいます。
しかし、その後のゆくえが分からないことから、彼らは脱獄には成功したものの、サンフランシスコ湾の寒流に呑み込まれて死んでしまったのではないか、と推測されています。”源義経が奥州から逃げて大陸にわたりジンギスカンになった”という話を信じたいわたしとしては、彼ら3人も無事に逃げおおせていてほしいんですけどね。何にせよ、ロマンをかきたてる話ではあります。
この実話は、クリント・イーストウッド主演の『アルカトラズからの脱出』という映画になっているそうなので、帰国したらぜひ見てみたいですね。

SA51.JPG - 937,131BYTES 脱獄囚の部屋。頭は偽装(笑)。

SA48.JPG 一般的な独房の中。バスはないが、洗面台とトイレつき(笑)。 

サンフランシスコでは、愛読している旅行HP『つあーめん』のトシヤス氏のお友達・Tさんに会いました。彼はこちらに住んで働いており、せっかくここまで来たら会ってみたいと思って、図々しくもコンタクトを取ったのです。
トシヤスさんのお友達という縁だけだったら、遠慮したところですが、かの『世界一周デート』吉田夫婦とも知り合いで(アメリカ横断旅行の際に会っている)、なおかつわたしのHPも読んでくれているという話だったので、まあ友達みたいなもんじゃん、と勝手に決めつけ(笑)、会
うことになりました。

トシヤスさんと吉田夫婦から、「かなりの男前」と聞いていたため、わたしは相当緊張していました。
何しろ、三度の飯より男前が好きなわたし。典型的な”ないものねだり”というやつですね(笑)。ただでさえ、初対面の人と会うのはドキドキするものなのに、その上男前と聞いては、緊張も3倍増です。
ユニオンスクエア前の、「macy's」というデパートの前で待ち合わせ…ああ、こういう場所で待ち合わせするのって、久々です。大体、待ち合わせすること自体が、旅においてはほとんどありませんものねえ。日本だったら別に何でもないことだけれど、何だかデートみたいだわ、なんてつい浮かれてしまいます(笑)。

実際のTさんは、メッツの新庄とB’zの稲葉浩志を足して2で割ったような(分かりにくいか?)男前でした。「男前だと聞いていたのに、そうでもなかった」という展開はよくあるけれど、本当に男前だと、ツッコミようがありません(笑)。「こっちでは全然もてないです」なんて云っていましたが、みんなきっと、目が腐っているのよ。
わたしとそう歳は変わらないのに、物腰も落ち着いていて、やっぱりまともに働いている人は違うわね、と、よれよれの服を着た根無し草の自分を、少々恥ずかしく思いました。
結局彼は、2度の食事とお酒を、わたしにビタ一文払わせることなく、わたしはしっかりご馳走になってしまいました。2日目に連れて行ってもらったイタリアンがとても美味しくて、お店の雰囲気も可愛らしくて、「ああ、こういうお店で食事をしたのって、何年ぶりかしら…」と、しばしうっとりしてしまったわ(笑)。
すぐに何かお礼が出来ればいいのだけれど、そこはそれ、この世で最も役立たずの人種である旅人ですからね…「大阪に帰ったら、会津屋のたこ焼き(Tさんの好物)をご馳走しますね」としか云えなくて、本当に情けないです(苦笑)。いやはや、ご馳走様でした。

SA75.JPG - 41,057BYTES フランシス・コッポラビルとトランスアメリカンピラミッド(左)。コッポラビルの1階のバーに行こうとしたら、満員だった…残念(しかも写真ボケてるじゃん!)。

…とそのような感じで、アメリカでの最初の1週間は過ぎていきました。
そして、この1週間で、計算するのが怖いくらいのお金が吹っ飛んで行きました。まるで、お金がただの紙切れになったが如く。とりあえず、食事代は切り詰めているんですけどね…(内訳:朝→ホステルの食パンとコーヒー、昼→ドリトス、夜→中華のテイクアウト)。ま、何たって、宿代が西ヨーロッパ以来の高さですからね。LAは1泊18ドル、SAは20ドル。それで1週間くらいいるわけだから、宿代だけで140ドル…ひょえええ。毎日目つぶって払ってました。

何だか、物価の高さにひたすらおののいてしまって、アメリカという国が何も見えていないんですが(笑)、ここまでのアメリカの印象というものを、少し書いてみます。

最初、LAの空港から街へ向かうバスの中で、あまりにピカピカな道路と近未来的な建物群を目の当たりにし、「これがアメリカかあ…」と感嘆しきりでした。
しかし、この国って、本当に“進んだ国”なのかしら?

…と考えたのは、LAでの、実にしょーもない出来事からでした。
コンピューター王国アメリカでは、途上国のようにネットカフェというものがあまり存在しません(家にあるもんな)。その代わりに、ATMのネットマシンが、店やホステルに置いてありますが、これが、10分で1ドルとか、ありえん値段。もちろん、日本語が打てるわけもない。

それでも、メールを見なければならない用があったので、ホステルそばのタトゥー屋に置いてあるネットマシンを利用することにしました。ところが、お金を入れてもインターネットにつながらないので、店のオーナーに文句を云ったところ、「そんなの、オレは知らねえよ。文句があるなら、このマシンの管轄元に云いな」と、きわめて機械的かつやる気のない返事が返ってきました。
いや、そんなこと云われても、とにかく見ての通り接続できないわけだし、あなたもわたしが1ドル入れたところを見ていたわけですから、とりあえず1ドル返してもらえませんかね?と問うたところ、「オレには関係ないね」の一点張り。
…あのねえ。いくら管轄がほかの会社だからって、マシンを置いてある以上、まったく責任がないとは云えないんじゃないの?少なくとも、マシンが壊れたらその管轄会社に連絡する義務くらいは果たすべきでは?業者が今すぐ来てくれるワケじゃないんだから、たった1ドルくらい、とりあえず立て替えられないものなのかぁ?

オーナーの態度にはまったく納得がいかないので、「とりあえずお金を返してほしい」と頼みました。
すると、返って来た答えが、「あのな、そんな苦情にいちいち対処してたら、オレの店は潰れちまうだろーが。客が1ドル入れてないのにいちゃもんつけてきた場合、いちいちはいそーですかって支払えるかよ!」だとさ。
しかし、今回の場合、わたしはちゃんとお金を入れたし、オーナーも、ほかの店員も見ていたと云っているのです。それを認める限りは、わたしはお金を返してもらう権利があるではないでしょうか?
たかが1ドルとは思いつつ、この物価の高い国でムダな出費はビタ一文したくないので、さらにしつこく粘ったところ、オーナーは、ウジ虫でも見るような目つきでわたしを見、「お前、クレージーか?」

…久々に本気で殺意を覚えましたよ。いや、マジで。ファッキンアメリカンだよ。お前みたいなジャンキーに(って知らないけど目にまったく生気がなかったのでね)クレージー呼ばわりされるいわれはねーんだよ!
結局、ほかの店員が見かねて(呆れて?)1ドルを返してくれたわけですが、実に後味の悪い出来事でした。
そう云えば、この日の朝も、似たようなことがあったのです。YHに設置されている公衆電話を使った際、通話もしていないのにお金だけが吸い込まれてしまい、レセプションに「どういうことなのか?」と問うと、「電話会社に聞いてみないと分からないんだ」との答え。何だよそれ!
自分とこに置いてあるものには、一応の責任を持つべきなのではないでしょうか?

大体、ATMネットマシンなんて、ほかの先進国では見たことなかったですね。何でもかんでもカードで支払うアメリカ社会ならではですか。あんな頼りない機械にクレジットカード差し込むなんて、恐ろしくてできないよ。万一出て来なくなっても、店のダンナは鼻くそほじりながら「おりゃ知らねー」と云って終わりでしょ。誰も責任取らないんだよ。責任のたらい回しだよ。
“顔が見えない社会”ってのは実に薄気味悪いと思うんですけど、先進国JAPANに住まうみなさんはどう思われますか?

便利な暮らしを追求しすぎて、かえって何もかもが複雑になっているんじゃないか。
別にアメリカに限ったことではなく、わが日本でも同じことなんでしょうけど、そんな風に思いました。
「発展って一体何なんだー?」って考えてしまいますね。一体何なんでしょう?(笑)

明日はいよいよ、アメリカでの一番の目的地・ニューヨークに向かいます。それではまた。


(2004年3月15日 サンフランシスコ)

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