旅先風信えくすとら「バヌアツ」


先風信えくすとらvol.25

 


 

**南太平洋へ!**


シドニーから約2時間45分、バヌアツの首都ポートビラの空港は予想通りの素朴さで、2年前に訪れたブータンを思い出させました。
それでも、いつになく緊張してしまったのは、南太平洋エリアがわたしにとってまったく未知の領域だからでしょう。自分と同じ旅行者であるはずの白人たちとも何か奇妙な距離を感じてしまうほどアウェイ感を抱きながら、イミグレの列に並んでいました。窓口が2つしかないため、さほどの人数とは思えないのに列はなかなか解消しません。身動きの取れない時間がさらに緊張感を増幅させます。


portvila006 荷物を受け取って進むと、建物の片隅で、陽気な生演奏がお出迎え。


さて。ここからどうやって町へ行くか。それが問題です。
大きな空港と違って、地図はおろか、「バス→」「タクシー→」などといった親切な案内版も出ていません。同じ飛行機に乗っていた人たちは次々と迎えの車に消えていきますが、何の当てもツテもないわたしは空港の玄関でまごついていました。
しかしほどなく、どこからともなく現れたタクシーの客引きグループにひっ捕らえられ、タクシーの客引きには反射的に心を閉ざしてしまうわたしですが、このときは町へのアクセスの糸口が見えたことにむしろホッとしました。値段を聞くと1500vt(約1765円。以後100円=85vtで計算)。バヌアツの高物価からすれば特にぼったくりとも思いませんでしたが、ふと、付け焼刃の知識でミニバスならその10分の1であることを思い出し、つい貧乏根性が働いて、タクシーを断ってしまうわたし…。
ミニバス乗り場も特に見当たらず、早速不安が立ち込めてきましたが、聞き込みの結果、空港前のロータリーの向こう、何の変哲もない道の角に停まっている黄色いハイエースがミニバスであることが判明。今にも出発しそうな車に、急いで飛び乗りました。
宿の目星はつけていたものの、ミニバスはタクシーではないので、とりあえずは町の中心部で降ろしてもらうことに。しかし、わたしが今いち町の概要を把握できておらず、運転手も「町の中心ってどこやねん??」と、うまく伝わりません。それはわたしが聞きたい…。地図から推測するに、「Outdoor Market」というのがおそらく中心地のようではあります。
運転手に地図を見せようと、kindle paperwhiteという文明の利器に収めてきた「ロンリープラネット ニューカレドニア&バヌアツ」をおもむろに開き…ましたが、地図のページがすぐに出てこず、運転手もわたしもますます混乱することに…。これが紙の本ならドッグイヤーやしおりを入れて一瞬で開けるのに…いや、paperwhiteにもドッグイヤー機能はあるんだけど、拡大図と全体図が別のページにあったりすると、瞬時に移動するのが困難なのですよ。ああ、kindleは旅人の荷物の重量を劇的に改善するかと思ったけれど、こんなところに落とし穴があったか…。少なくとも、ガイドブックに関しては紙の方が使いやすい気がします。
それでもなんとか、Outdoor Market=市場の前で降ろしてもらうことができ、見た感じ、ここが町の中心部というのは間違ってはいないようです。何とか旅の第一関門は突破し、「ミニバスはあちこち寄るからめっちゃ時間がかかるんだぞ〜」と神妙な顔つきで云っていたあんちゃんに勝った気分(笑)。


宿は、メインストリートから1本、陸側に入った道路沿いにある「Sportsmen's Hotel」にしました。ドミトリーで2000vtとオーストラリアより少し安い程度ですが、どうやらポートビラでは最安のようなので、ここ一択でした。「歩き方」には載っておらず、「ロンプラ」で最も役に立った情報のひとつです。
ドミではありますが、幸い客はわたしだけのようで、独占状態。簡素だけど広々していて、ベッドの上には草木の破片で作られた「WELCOME」の文字が置かれているのもリゾート気分を盛り上げます。よく見ると紙魚みたいに小さい虫がベッドの上を這いまわっていましたけどね…南国の田舎はしょうがないのか…? とりあえず虫よけスプレーを撒いたらいなくなりましたが。
それでも、狭い、人が多い、スリーピングバッグ厳禁なのにやたら冷房が効いて寒い、というオーストラリアのドミトリーに比べたら、個人的にはこちらの方がよほど快適です。

 こざっぱりした部屋。

 

外に出る頃には、あたりはすっかり夕方の気配に覆われていました。
宿のある道路からメインストリートへは、階段を下りてアクセスします。迷うほどの道の数もなく、5分程度であっさりたどり着きました。メインストリートはそれなりに人通りはあるものの、端から端まで歩いても15分程度、首都という響きからはほど遠いコンパクトさ。シドニーくんだりからやって来ると余計にコントラストが際立ちます。
すでにいくつかの店は閉まっており、町の熱気は市場と、隣接するスーパーマーケット「オー・ボン・マルシェ」、バスとタクシーのターミナルに集中していました。カラフルなアイランドドレスをまとった体格のいい女性たちが買い物袋を下げて、バスだか車だかを待っています。車両はひっきりなしにメインストリートを往来していて、それだけが首都らしい喧騒を見せていました。
市場には、野菜や果物がてんこ盛りで売られており、例えば小さなトマト(と云ってもミニトマトではない)が30個くらいで50〜100vtと、思わず買いたくなるような安さです。マーケットの一角にある食堂のボリューミーな定食は、はちみつレモンのようなドリンクも付いて400vt。長期パッカーにはやっぱりきついけれど、数か月単位での中期旅行ならのんびりできそうな物価かもしれません。市場のどん突きにはステージがあり、大してお客もいないのですがバンド演奏がこれまたのんびりと繰り広げられています。
スーパーは、市場とはしっかり住み分けができており、商品のほとんどは輸入物。物価もオーストラリア並みです。一角にバヌアツ製の食品コーナーがあり、パパイヤのジャムやタロイモチップスなど、おみやげによさそうな手頃な物が並んでいます。

初めての南太平洋の国、ではありますが、やけに既視感があると思ったら、アフリカに似ているのでした。
バヌアツの方がマイルドな雰囲気ではあるけれど、ここがアフリカの片田舎だと云われても特に違和感を覚えない程度には似ています。首都の風景としてはあまりにも牧歌的で、これまでに訪れた“何もない”首都と比べても、何もない度はかなり高い印象です。
18時半ですでに辺りは真っ暗。街灯もほとんどなく、車のライトと己のヘッドライトを頼りに歩かねばならない心許なさ。ガイドブックなどを読む限り、治安は悪くなさそうですが、初日ということで大事を取って20時過ぎには宿に帰りました。


市場で売られていた「ノニジュース」。好き嫌いのないわたしでもさすがに全部飲めないほどの衝撃のマズさだった…。どんな味かと聞いたら「like a Coca-cola」って云われたけど、どこがやねーん!(涙)

ざっくりした盛り付けだが、味は悪くない。


翌日から、いよいよ本格的にバヌアツを旅するにあたってガイドブックを穴の空くほど眺め回した結果、タンナ島とエスプリット・サント島の両方に行くなら、最低でもバヌアツだけで1週間の滞在が必要だということを、遅まきながら理解しました。
二度と来ない確率で云ったら、アジアやヨーロッパ諸国の比ではないバヌアツ、やりたいことはすべてやっておきたい。しかし、物理的、金銭的に許されない…(涙)。
世界で最も火口に近づけるという火山島、タンナ島。沈船ダイビングとブルーホールの島、エスプリット・サント島。ダイビングのためにアウトドア仕様のカメラを買い(もともと買い替えるつもりではあったけど)、ハウジングまで購入したからには、当然ダイビングを優先すべきところです。ただ、潜るだけならここエファテ島でもポイントはあるわけで、いっそのこと5日間まるごとエファテ大満喫ツアーでもいいのかもしれない、ブルーホールも、民俗村もあるみたいだし…。


しかしとりあえず、2日目は予定通りエファテ島に滞在して、後のことは、それを終えてから考えることにしよう。
両替に行きがてら、たまたま通りかかった教会やら郵便局やらに寄り道し、絵葉書を出す先の住所をメモって来るのを忘れてわざわざwi-fiの通じるカフェに入って確認し、さらにエア・バヌアツやツーリストインフォメーションでタンナ&サント情報の聞き込みをするというドラクエばりのアナログな行動をしていると、朝8時に宿を出たはずがいつの間にか昼になっていました。相変わらず、計画性ねえな!
別に、何があるというわけでもない小さな町だけど、南国の強烈な太陽と田舎らしい長閑さが、日本の日常から最も遠いところに来たという気持ちを高揚させるんですよね。輝くマリンブルーの海、もりもりとあふれる緑、鮮やかな赤やピンクの花…濃い色彩を愛でて歩くだけでも楽しいです。
時間があるなら、今日は1日、ふらふらとポートビラ散歩に費やしてもいいのですが、リーマンパッカーなのでそうも云っていられない。
今日はハイダウェイ島に行こうと考えていたのです。ハイダウェイ島は、ポートビラから気軽に行けるダイビングスポットであり、世界で唯一の海中ポストなるものがあるというので、是が非でも海中から絵葉書を投函したいのです(このためにわざわざネットで投函先の住所を確認したのさ)。
ミニバスで20分、簡素な船着き場から出る渡し舟に乗って入島します。小さな島は完全リゾート島であり、島を散策する楽しみはありません。ずらりと並ぶビーチベッドには、白人様ご一行がくつろいでおり、従業員は当然、現地の黒人。昨今つとに愛読している藤永茂先生の本を思い出し、植民地時代の名残ですか!と思わずバイアスのかかった目で見てしまいました。ちなみに藤永先生は、世界情勢の根っこをアフリカに見ており、元を手繰ればヨーロッパがよってたかってアフリカを搾取しまくったことが、今でも世界に暗い影を落としていると説いています。

さわやかリゾート島。


さて、ダイビングは1日3本の催行で、わたしが訪れた時間にはすでに2本が終了し、午後の最後の1本しか残っていませんでした。しかも、その回もわたし1人…。ここにいらっしゃる旅行者たちは、ダイビングに興味がないのか、それとも午前中に2本こなして午後はのんびり…ということなのか。
スタッフは、いかにもラスタマン風の陽気さで、突然1人でやって来たわたしにはそのノリに付いていくのが精いっぱいでした。まあ、水中では会話しないのでいーんですけど。
1年ぶりのダイビングは、やっぱり手順を忘れており、エントリーの際は軽くパニックに襲われました。ビーチダイブは本当に久しぶりで、それこそダハブで最初にライセンスを取ったとき以来かも…? チェックダイブも兼ねて、マスククリアとエアのリムーブ&リカバリーをするのもなかなかのストレスでした。水の中でエアを外すことに、本能的な恐怖を感じるんだよなあ…。
最初の方はエアを吸いまくり、ついでに水も飲んで再び平静を失いかけましたが、無事、海中ポストに絵葉書を投函することができました。そして今回、初の水中撮影にも挑みまして、これまた不安でいっぱいになりながらも、思った以上に撮れました。ただ、ハウジングの上からのマクロやズームの切り替えがまだまだぎこちなく、シャッターチャンスもだいぶ逃しましたがね…。
透明度は、期待していたほどではなかったものの、とりあえず魚群が見られればそれでOKの単純なダイバーなので、バヌアツ最初のダイビングとしては満足でした。ちなみに1ダイブの金額は6000vtと、決してお安くはありません。
しばらくビーチで体を休め、島を出る頃にはちょうどスタッフの兄ちゃんたちも帰宅の時間で、渡し舟に乗り合わせました。“通勤”しているんだなあ、と思うと、何だか妙に親近感が湧いてきて、思わず記念撮影などしちゃったりして。

インストラクターの兄さんの唇の上を、虫のような生き物が歩いている謎の写真。

よく見ると、魚の目がやけに怖い。

ポートビラ⇔ハイダウェイ間の道は、町の中心部以上に強烈にアフリカを思い出させ、ひどく懐かしくなりました。アフリカを特別好きだった覚えもなく、図々しいほど陽気なアフリカ的ノリにも今いちシンクロできないにも関わらず、アフリカへのシンパシーを感じているのは、藤永先生の文章を熟読した影響なのでしょうか…?
黒人の堂々たる風貌を見ていると、長きにわたる白人支配の根底には、黒人への恐れと嫉妬があったのではないかと邪推してしまいます。黒人の子どもたちの、生命のカタマリのようなエネルギー。アフリカを旅していた頃も、子どもの愛くるしさにたびたび見惚れたものでしたっけ。
「アフリカの水を飲んだ者は、またアフリカに帰ってくる」ということわざ?がありますが、わたしもまた、いつの日かアフリカに導かれることがあるのかもしれないと、ふっと考えます。当時はあれほどイヤだイヤだと云っていたのに、人間はつくづく喉元過ぎれば熱さを忘れる生き物ですね。

ハイダウェイからポートビラに戻り、町なかのいくつかの旅行会社を周って(日本人スタッフがいるところもありました)タンナ島とサント島の情報をかき集めて逡巡するも、なかなか決心がつかないまま、翌朝を迎えました。
日数と金額の都合から、ツアーに参加するという選択肢は消え、とりあえずどちらかに行くためのエアチケットを買うべく、朝一番にエアバヌアツへ向かいました。何となく、バヌアツらしいのはタンナ島なのではないかという結論に傾きつつも、せっかくダイビング装備を万全にしてきたのに…というセコい気持ちも捨てきれず、いざ航空券を買う段になっても、カウンターの兄さんに「タンナとサント、どっちに行くべき?」と尋ねる始末です。
しかし、この兄さんの回答がわたしの進路を決めました。
「サントの方がいいよ。タンナはミニバスとかないし、島内の移動費が高くつくと思うよ」
確かに、タンナ島での足の確保は懸案事項でした。ほとんどの旅行者はエファテからのツアーで行くので、公共交通機関なんてものは存在していません。となると、タクシーをチャーターすることになるわけですが、そのタクシーもガイドブックなどを見る限り、どうやって捕まえたらいいのか、金額は如何ほどになるのか、今いち不明瞭だったのです。

コウモリの肉が食べられると聞いてレストランへ。でかい丸焼きを1人でむせながら食べる、それがひとり旅。。。

やっと行き先が決まって、いくぶん安堵しながら宿に戻ってチェックアウトすると、併設のカフェで、「AUSTLARIA」とプリントされたTシャツを着た白人の男性に話しかけられました。当然オーストラリア人なんだろうと思ったら、「これはジョーク。本当はニュージーランド人なんだ。とりあえず、座んない?」
変な人、と思いながらも、サント島のフライトまではまだまだ時間もあり、促されるままに相席しました。これからサント島へ行くことを話すと、彼―ピーター(仮名)はまさにそこに住んでいるパイロットであることが分かりました。それも、シープレインという観光用ジェットのパイロットだそう。
「ポートビラには用があって来ているけれど、あんまり好きじゃないんだ。サントの方がずっと素敵だから、君の選択は正しいよ」
彼は、日本に住んでいたことがあるらしく、日本人のわたしを見つけて嬉しそうでした。まあ、そんなことでもなければ、わたしにわざわざ話しかけてくることもないよね…と思いつつも、わたしが昔、長い旅をしていたことにも興味を抱いたようで、しばらくは旅の話で盛り上がりました。旅好きという気質をお互いに持っていれば、それだけでもう友達になれるものです。
どうしてバヌアツに来たの?と尋ねられ、日本に住む自分にとっては未知で神秘的な国で、好奇心だけでやって来た、と答えると、彼は「好奇心は何よりも大事なものさ」と云って満足そうにうなづきました。逆にわたしも、数ある南太平洋の島国から何故バヌアツを選んで住もうと思ったのかと訊いてみると、こんな答えが返ってきました。
「フィジーは独裁者の国で、ニューカレドニアは人種差別がひどく、トンガは王様が君臨している。バヌアツはその点ノーマルだし、インドネシアが西パプアに侵攻したことについて、国際会議でちゃんと言及した唯一の国なんだ。バヌアツは紀元前5000年から人が住んでいるけれど、歴史らしい歴史がない。それはつまり、支配者というものがほとんど存在していなかったということでね、そういうところも好きなんだ」
さらに、バヌアツの失業率はなんと85%(!)にも関わらず、金や物質にあまり執着がないらしい。んなこと云ったってなくはないだろうと思ってしまうエコノミックアニマルのわたくしですが、カギもフェンスもないような郊外の家や、中心部にある商店が軒並み中国系であるところを見ると、ある程度は本当なのかもしれません。
また、先進諸国が、ペンテコステ島(バンジージャンプ発祥の地)などに埋蔵されている金を採掘するために押し寄せているそうですが、現地の人々は、土地を売ったら必ずトラブルが起こることを分かっているのでなかなか売らないとか。
ピーターは、自らをアンチ資本主義者であり、そんな自分を偽善者だと認識している、そしていつも「ヘンな白人たち」が、バヌアツやその他の国にやって来ては食い荒らそうとする、と云いました。
わたしは、今まさにその構図に則って世界情勢を見直し中なので、白人であるピーターが、自分たちをヘンな“侵入者”だと認めていることに大いに溜飲が下がりましたが、一方で、白人として生まれ育った彼には、本当にその実感はあるのだろうか、黒人や東洋人に対して差別的な視点を持っていないと云えるだろうか、などと少々意地悪な気持ちにもなるのでした。


夕方発のサント便まではまだまだ時間があり、どうやら今日はやることのなさそうなピーターの案内で、宿からほど近いカルチャーセンターを見学したり、高級リゾートホテルのビーチに入ったり(カンクンのヒルトンどころではないセキュリティの甘さ。あまりにのんびりしているのでローカルビーチかと思ったわ!)、民家や墓地や教会を見て回ったりしました。それでもまだお天道様は燦々と高く、ピーターが居候しているという友人宅に移動して、暇つぶしに『キル・ビル』のDVDなんぞを観ました。友人の留守中に、見ず知らずのわたしが入ってテレビなんか観てていいのかよ、と訝りつつも、基本的に不用心なバヌアツのゆるさを以てすれば気にすることもないのかも、と思い直しました(笑)。
さらに、パイロットであるピーターは空港内も顔パスらしく、カーゴで飛行場の敷地をドライブするというなかなか得難い体験もできました。あくまでも牧歌的な飛行場には、10機ほどの小さな飛行機が停まっていて、ピーターの飛行機もメンテナンス小屋に入っていました。
「飛行機は、自宅のガレージでも作れるんだよ。でかい旅客機だけが本物の飛行機だと思うのは一種の洗脳さ」と、アンチ資本主義者らしい発言をするピーター。
サント島から戻ったらランチをする約束をして、われわれはひとまず別れました。最近の短い旅では、誰かしらキーパーソンのような人が現れることが多いのですが、バヌアツに来て早くも旅の神様がめぐり合わせてくれたのでしょうか。

カルチャーセンターの楽器で「さくらさくら」を奏でるわたくし。

ピーターの居候先。ええとこに住んではる。。。

メンテ中のピーターの飛行機。


サント島の空港に到着する頃には、完全に夜になっていました。
ポートビラ空港どころではないローカルさ加減で、最初はまたしてもタクシーの客引きに渋い顔をしてしまったものの、今回は大人しく乗ることにしました。
目指すは、サント島最大の町であるルーガンヴィル…ですが、そこまでの道はおろか、メインストリートも、ポートビラを大都会と認識したくなるような田舎っぷりです。田舎度で云うと、スリランカのダンブッラくらいでしょうか…(分かりにくい例えですみません)。
ピーターに教えてもらった宿に着くと、むちゃくちゃ陽気な従業員の兄ちゃんに出迎えられ、メインストリートの静寂とのギャップに思わず笑ってしまいました。ここも客はあまりいないのか、3人ドミを1人で使えてちょっと得した気分です。ただ、ポートビラ同様、清潔ではあるのですが、少しでも飲食物を置いておくとどこからともなく例の小さな虫が湧いてきて、油断なりません。
とりあえず、お腹がすいたので歩いてすぐの場所にあるという市場の食堂に出かけました。キオスクの店頭のようなブースが6つほどあり、各窓口にはおばちゃんが待機していて、メニューの差などはさっぱり分からないのですが、なんとなく吸い寄せられるように真ん中あたりのブースに座りました。出てきたシチューぶっかけ飯は、見た目は初日に食べた市場のワンプレートとほぼ変わらず、これがバヌアツのベーシックな定食スタイルなのでしょうか。
食堂がまだ開いていることが何かの奇跡に見えるほど、町は暗く、荘厳なまでに静かで、なんだかすごいところまでやって来たなあ…と思わずにはいられませんでした。

遠くまで来たことをしみじみと感じる静かな風景。



(2013年10月13日、ルーガンヴィル)

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